牛肉って外国産と国産はなんとなくわかるんだけど、国産牛と和牛はどう違うの?黒毛和種?
松阪牛や神戸牛などブランド牛を飲食店やスーパーでよく目にするとは思いますが、そもそも外国産と国産牛、国産牛と和牛などの違いや定義がわからないと思います。
代々肉屋を営み創業100年以上、小さいころからお肉に触れてきた私がわかりやすく説明いたします。
外国産牛と国産牛の違い
まずはじめに外国産牛(輸入牛)とは、の説明をいたします。
これはさすがに誰でもわかる!と思いきや,それは、原料原産地表示制度があることで、スーパーなどでは、外国産ならその通りの表示があるからです。
定義としては、国内で3か月以上肥育されたもの(育ったもの)が国産牛となります。出生地が国内ではなくても、3か月以上か国内で育てば国産を名乗ることができるということです。もちろん、牛の品種は関係ありません。そのほとんどは、米国産、豪州産(オーストラリア)です。ちなみに、国内で流通している牛肉の6割は、外国産牛(輸入牛)です。
日本人は国内食材への安心感があるので、外国産の食材に対し苦手意識や嫌悪感がある方もいるかと思います。しかし、近年赤身肉ブームやグラスフェッドビーフという言葉が流行しているように、健康志向の方や若者に注目を集めています。
普段お肉を扱っている僕からすると、やはり国産牛のある程度サシ(霜降り)の入ったお肉が間違いなく美しく美味しいと思っています。贈答などにも和牛の霜降りは、見た目もキレイですよね。
国産牛と和牛の違い
こちらは、大半の人が違いを答えられないのではないでしょうか。
まず、前述したように、国産牛は「国内で3か月以上肥育されたもの(育ったもの)」なので、品種問わず定義に該当するすべての牛が当てはまります。
「和牛」とは、牛の品種であり、日本国内では下記の4種類の和牛が生産されています。
- 黒毛和種(黒毛和牛)
- 褐毛和種
- 無角和種
- 日本短角種
このうち生産されている約9割が1.黒毛和種(黒毛和牛)です。「松阪牛」「神戸牛」も黒毛和牛であり、地域それぞれの基準を設け、品質を安定させた牛ということになります。
和牛とは、国産牛という大きなくくりの中の一つの品種と理解していただければと思います。
上の4種類について詳しくはこちらもご覧ください!
国内の牛肉事情
あれ?じゃあ逆に国産牛の中の、和牛以外の牛って何?
基本的にスーパーや精肉店で、和牛であれば「〇〇県産 和牛サーロイン」など、ほとんどの場合「和牛」であることを強調し販売されていると思います。それは、皆さんがイメージしている通り、
和牛=高級、美味しい
とそれが付加価値となるからです。
逆に和牛と表示されない牛は、乳用種(ホルスタイン)や交雑種(f1)となります。これらはお店側が隠しているわけではなく、付加価値とならないと考えるからです。実際には、和牛と比べ赤身で食べやすくそれでいて比較的安価なため、飲食店でも多く選ばれています。ちなみに、トレサビリティー制度により国産牛には一頭一頭に個体識別番号が割り振られ、その11桁の番号の表示が義務付けられています。皆さんも一度自分が買ったものがどのような牛なのか、調べてみるのもいかがでしょうか。
まとめ
外国産牛、国産牛、和牛の違いを説明いたしました。
ポイントは、和牛は国産牛の中のひとつということです。国産牛=和牛ではありません。
買う時に、「これは和牛ですか?」とお店に聞くのが一番かもしれませんね。
ただ、僕の経験ではお店のアルバイトの方のなどは、理解してないことが多いので注意です(笑)
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